奇妙な山歩き

午後から時間が出来たので、近くの吾妻耶山へ登りに行ってきました。

吾妻耶山は標高1322mで低山ではあるが、谷川岳からいつも眺めてばかりで

やっと登ることが出来た♪

登山口に車は一台もないがよくあること

歩きだすと体から汗が噴き出し、気分よく夢中で歩いていると

「　チーン　チーン」

と鈴の音がなんとなく聞こえて来た。

なんだ登山者がいるんだと思いながら登山道を歩いていると

鈴の音が登山道から外れた林の奥から聞こえているようなきがする。

向うにも道があるのかと思い、何となく音の方に付いて行ってみると

道は無く、薮がどんどんひどくなりとても歩けなくなってしまい

登山道も見失ってしまった。こんな時は、飯でも食べようと一休憩していると

また「　チーン　　チーン　」とどこからか聞こえてくる。これはちょっと気味が悪いと感じ、辺りをジーっと眺めていると

斜面の上部にカモシカが一頭あらわれた。カモシカもこちらの気配を感じたのかすぐに見えなくなってしまた。

いつしか鈴の音も聞こえなくなったので、来た道をそのまま戻り登山道に復帰して、早歩きで山頂まで登り、すぐに下山し始めた。時間はすでに16時を回っており、この時期でも林の中は薄暗く、辺りのナラの木には熊棚も多く、熊を警戒するために笛と「ホーッ　ホーッ」と音をだしながら歩いていると、また

「チーン　チーン」と前方から聞こえてくる。なんだやっぱり誰かいるんだとホッとして、さらに急ぎ足で追いつこうと、歩いても歩いても姿が見えない。いつしか自分で音を出すのを忘れて歩いていると　『ブッルル　ブッルル　ブッルル』　熊の威嚇音。熊のテリトリーに入ってしまった。これは何となく今日は引き返そうと感じ、後ろを警戒しながらエスケープルートで下山することにして、さらに急ぎ足で歩く。また「チーン　チーン　チーン」と音だけが林の中に響き、いつしか聞こえなくなった。

ちょっとスリリングな登山になりました♪

8/14